環境破壊、食料や水の不足、生物種の減少など、人間がどれほど進化しても、一向になくならない課題たち。
むしろ課題の数は昔より多くなってきているようにさえ思えます。
一人で課題に立ち向かうよりも、より多くの人が力を合わせれば、ぐっと解決に近づく。
そのためにはまず、一人でも多くの人に、何が課題なのかを知ってもらうことから。
そんな考えのもと、【#課題研究所】では、人類が直面する様々な課題を解説していきます。
今回は、近年悪化していると言われる「飢餓問題」です!
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何が問題なの?
ズバリ問います。
私たちは今、食べ物に困っているでしょうか?
私たち日本人は、お金さえあれば食べ物に困ることはない、と思ってますよね。
お金がないことが問題になることはありますが、食べ物が不足して問題になることはまずない、というのがフツーの日本人の感覚だと思います。
昔、歴史の教科書で「天保(てんぽう)の大飢饉」というものを習ったと思います。
日本でも江戸時代の頃までは、定期的に食料不足が発生することは珍しくありませんでした。
しかし、時が過ぎ、技術や輸送網が以前と比べものにならないほど発達した今、食料問題は遠い過去のものとなりました。
「で、それはたぶん他のほとんどの国でもそうでしょ?」
そう思っている人がほとんどではないでしょうか。
だとすれば、一体何が問題なのでしょうか?
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「We are the world」という曲を知っていますか?
若い人は知らないかもなぁ…
アフリカの飢餓と貧困を解決しようと、アメリカをはじめとする世界の著名アーティストが集結して1985年に制作されたチャリティーソングです。
あのマイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、ボブ・ディランなど豪華絢爛なメンバーが集結したことで大きな注目を集め、アフリカの飢餓問題も脚光を浴びました。
ビデオクリップはこちら!
私も当時小学生でしたが、テレビでよくアフリカのやせ細った子どもたちの映像とともにこの曲が流れ、
「そうなんだ、アフリカにはこんなに貧しい人たちがたくさんいるんだ」
と思ったのを記憶しています。
アメリカから遠く離れた日本の小学生が影響を受けたのですから、この歌が世界中の人々に影響を与えたのは容易に想像できます。
実際、世界の飢餓問題への取り組みは加速。
2005年、世界では9.5億人、全人口の15%の人々が飢餓に苦しんでいましたが、その数と割合は徐々に減少していき、2015年には7.8億人、全人口の10%にまで低下しました。
このまま行けば世界から飢餓はなくせるー。
多くの人は、1985年の「We are the world」から30年かけて、ようやくその理想の世界が実現するのだ、そう思いました。
しかし、残念ながら飢餓人口はここから増加に転じます。
最新の国連レポートによれば、世界の飢餓で苦しむ人の数はここ数年で増加に転じ、2017年には8億2100万人、9人に1人が飢えに苦しんでいるというのです。
詳しはこちらのグラフをご覧ください。
一体何が問題なのでしょうか?
国連レポートは、その要因として、紛争、気候変動がもたらす干ばつや洪水などの極端な気象現象、景気後退を主要因に挙げています。
国連食料計画(WFP, World Food Programme)やユニセフなどの国際機関は、日々、食料がなくて困っている人に食べ物を届ける活動を地道に続けています。
しかし、世界の人口は増え続けていますし、紛争地域には容易に近づけません。世界中の困っている人すべてに毎日食べ物を届けるのは至難の業です。
そして、ひとたび紛争や景気後退が起きてしまうと、食料不足問題は簡単に後戻りしてしまう、そこに気候変動がジワジワと拍車をかけるー。
食料問題の解決の困難さが、改めて浮き彫りとなったのです。
私たちに何ができる?
世界の人口は今後も増加を続け、2050年には97億人にまで達すると予想されています。
それに伴い、一人あたりの穀物や肉類の消費量も増加。
飼育用の穀物の消費も増えるでしょう。
新興国が経済発展すれば、国民の所得水準も向上し、食生活も当然ながら貧素なものから贅沢になっていきます。
日本のように廃棄される食品も増えていくことでしょう。
気候変動に伴う異常気象は増加すると考えらえており、これが問題をさらにやっかいにしていきます。
このようにして、世界の食料の需給は今後ますますひっ迫すると予想されているのです。
食料自給率の低い日本は、グローバルの食料争奪戦の中で、大きな影響を受けると予想されています。
つまり、私たち日本人も、世界の食料問題をひとごとにしてはいられないのです。
だからといって、日本が単独で世界の食料問題を解決できるものでもありません。
しかし、世界が力を合わせて解決すべき課題ではあると思います。
私たち一人ひとりが何ができるか考えることから始めてみませんか。
一人ひとりの力は小さくても、国際的な取り組みを応援すれば、それはやがて大きな力となります。
国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連世界食糧計画(WFP)などの国際機関が、今この瞬間も食料活動を解決するための取り組みを行っており、その情報をホームページやSNSで発信しているほか、寄付を受け付けています。
例えば、WFPの寄付プログラムに寄付すれば、たった1000円の寄付で、25人もの乳幼児に命を守る食料を届けることが可能です。
寄付のしかたは様々で、毎月寄付するか一度だけ寄付するかを選べ、それぞれ金額も任意に選択できます。
いずれもクレジットカードで登録すれば、自動的に引き落とされるためホント簡単!
WFPの寄付募集ページはこちら!
また、一人でも多くの人に課題を知ってもらうことが第一歩。
なので、このブログの記事でもいいですし、WFPやユニセフのSNSを購読し、心に刺さった記事は積極的にシェアしてみましょう。
シェアは一瞬。どうです?メチャ簡単でしょ?
また、私のオススメは、エシカル消費を意識してみること。
エシカル消費は最近大注目のトレンドワード。ご存知ですか?
「エシカル」とは英語で「倫理的な」という意味。
エシカル消費とは、人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動のことをさします。
私たちが普段食べたり、飲んだり、着たり、使ったりしている製品の裏側には、もしかしたら低賃金や劣悪な労働環境で長時間働く生産者や、満足に教育を受けられず労働に従事させられている子どもたちがいるかもしれません。
美しい動植物や自然環境が犠牲になっている場合も。
エシカル消費とは、不当・不正な背景を持たない倫理的な方法で生産された製品を選んで購入すること。
正当な賃金やルールのもと生産された製品を購入することで、その裏側にいる多くの生産者たちの生活もハッピーになり、ひいては貧困や飢餓、気候変動といったグローバルな課題の解決にもつながるのです。
そしてそれは一人ひとりの簡単な行動でできること。
エシカル消費について詳しく知りたい方は、エシカル協会のホームページをのぞいてみてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
ご紹介してきたとおり、食料問題は誰か一人の力では解決できない大きな問題。
でも、一人ひとりの行動がなければ解決しないことも事実です。
大事なのは、課題を知り、何ができるか自分なりに考えてみること。
この記事が一人でも多くの方の「スイッチ」を入れることを願っています!
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