環境破壊、食料や水の不足、生物種の減少など、人間がどれほど進化しても、一向になくならない課題たち。
課題の数はむしろ昔より多くなってきているようにさえ思えます。
一人で課題に立ち向かうよりも、より多くの人が力を合わせれば、ぐっと解決に近づく。
そのためにはまず、一人でも多くの人に、何が課題なのかを知ってもらうことから。
そんな考えのもと、【#課題研究所】では、地球上の人々が現在直面する様々な課題を解説していきます。
今回は、地球規模課題の王様ともいうべき「地球温暖化」についてです!
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Contents
改めておさらい!地球温暖化の何が問題なの?
「地球温暖化」の問題を知らない人はいないのではないでしょうか。
せめて「地球温暖化」という単語くらいはご存知だと思います。
でも、ちょっと待ってください!
誰かに「地球温暖化って何が問題なの?」と聞かれたら、あなたは答えられる自信、ありますか?
昔学校で勉強し、何となく頭には入っているけど、それから何年も経っていて、うろ覚えの方もいるのでは?
改めて最新情報とともにおさらいしていきましょう!
地球温暖化の問題については、様々な機関・団体等が情報発信していますが、中でも世界自然保護基金(WWF)ジャパンのホームページが詳しくかつ分かりやすく紹介しています。
ここではWWFジャパンの情報を参考に、私なりに分かりやすく解説していきますね。
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地球温暖化って何が問題なの?
まず、地球温暖化によって何が起きるのか?です。
地球温暖化とは、気候変動の一種で、文字通り地球の平均気温が上昇することを言います。
ここで最初の疑問。
地球の平均気温が上昇すると、何が問題になるのでしょうか?
「寒い地域は暖かくなるし、そんなに問題ないんじゃない?」
と思うかもしれません。
でも、平均気温が上昇すると、人類全体に大きな影響が及ぶと考えられているのです。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC, Intergovernmental Panel on Climate Change)という国際機関がまとめた報告書によれば、このまま地球の平均気温が上昇を続けた場合、以下のリスクが生じます。
- 高潮や沿岸部の洪水、海面上昇による健康障害や生計崩壊
- 大都市部への内水氾濫による人々の健康障害や生計崩壊
- 極端な気象現象によりインフラ機能の停止
- 熱波による死亡や疾病
- 気温上昇や干ばつによる食料不足
- 水資源不足と農業生産量の減少
- 陸域や淡水、海域の生態系、生物多様性がもたらすさまざまな恩恵の損失
いかがですか?そう言われれば確かにそうかも、というものが多いですね。
海面上昇などは、気温が上昇すると北極や南極の氷が溶けて海水が増えるから海面が上昇するというイメージがつきやすいですよね。
地球温暖化って日本にも影響あるの?
一方、農業生産量の減少や食料不足などは、日本に影響があるというイメージが湧かない方も多いのでは?
「そもそも地球温暖化なんて海外の話で、日本には影響ないっしょ。
日本は自然が豊かで、そもそも四季があるから気温の変化にも慣れっこだし。
平均気温が多少上がったとしても全然大丈夫なんじゃね?」
しかし!実はそうでもないのです。解説していきますね。
地球温暖化は地球のいたるところで発生します。
ここ日本でも気候が変化すれば生態系に狂いが生じ、種によっては絶滅するものも出てきます。
そうすると農業や畜産業にも悪影響が出るのです。
例えば、ハチは花のミツを集めますが、その過程で農作物の受粉を手伝い、農作物が実をつける手助けをしています。
もしハチが激減ないし絶滅したら、農作物の収穫量も減少しますよね。
また、異常気象が続けば農作物が不作となり、スーパーの棚から野菜がいなくなることも予想されます。
仮に日本の農業に影響が出ないとしても、日本は食料自給率が低いので、海外で問題が起きればたちまち日本への農作物の輸入が激減し、食卓を直撃することとなるのです。
他の例も出しましょう。
最近、ゲリラ豪雨、大雨洪水、夏の異常な猛暑など、ひと昔前にはなかった自然現象が多くなっていると感じませんか?
多くの研究者は、こうした異常気象は地球温暖化がもたらす影響であるとしています。
こうした異常気象が今後さらに頻発すれば、農業だけでなく、通勤も大変になるし、仕事の効率も落ちるし、週末楽しみにしていたイベントも中止になるなど、私たちの身近なところで大きな影響が出るのは明らかですね。
今ご紹介した以外にも、環境省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、気象庁は毎年合同で「日本の気候変動とその影響2018」という年次レポートを発行し、地球温暖化の問題が日本に及ぼす影響について警鐘を鳴らしています。
このレポートによれば、日本では世界より速いペースで気温が上昇していること、真夏日・猛暑日の日数が増加傾向にある、強い雨が増加している一方、降水日が減少している、積雪が減少する一方、内陸では積雪量が増えると考えられています。
このように、地球温暖化の問題は日本人にとっても大きな課題なのです。
地球温暖化は誰のしわざ?
次の疑問です。
「地球温暖化って、一体誰のしわざなの?」
というもの。
よく、大気中に二酸化炭素が増えると温暖化となる、と言われますが、その具体的なメカニズム、説明できますか?
ここで地球温暖化のメカニズムを改めておさらいしておきましょう。
WWFによれば、地球温暖化の最大の原因は、私たち人間が大気中に排出している温室効果ガス。
石油や石炭など化石燃料を燃やすと発生する二酸化炭素(CO2)はその代表。
これらの温室効果ガスは、大気中に太陽熱を閉じこめ、ちょうど温室のように地球全体を温める効果を持っています。
石油や石炭は、人間の活動によって燃やされることがほとんどなので、温室効果ガスの増加は人間が原因であると言えるのです。
欧州などでは環境保護の考えのもと、太陽光や風力など自然エネルギーの利用促進をはじめ、化石燃料からの脱却が進んでいますが、発展途上国ではそうした先進技術よりも国家の経済発展が優先され、石油や石炭もいまだに多用されています。
このため、地球全体で見れば、二酸化炭素などの排出量は増加しており、その量は、地球全体の森林などの生態系が吸収できる二酸化炭素の量の倍以上となっているとも。
人類が今のペースで活動を続けていけば、今後100年間に最大で6.4度の気温上昇が予測されており、地球温暖化の対策は待った無しと言われているのです。
‥ちょっとヤバいんじゃね?と思ってきました?
地球温暖化はどうなれば解決なの?
それでは次の疑問。
「地球温暖化の影響や原因は分かった。じゃあ、地球温暖化は何がどうなれば解決なの?」
ですよね~。
具体的な行動に移る前に、何が課題で、何をどうすれば良いかを知ることはとても大切です。
地球温暖化の問題についての現在の国際交渉は、地球の平均気温の上昇を産業革命の前の時代から「2度未満」に抑えることを目指して行なわれています。
なぜ「2度未満」かというと、気候の変動幅をそれ以内に抑えることができれば、人類は温暖化がもたらすさまざまな影響と何とか共存していけるレベル、と考えられているからです。
人類がもし現在のままの経済活動を続けた場合には、100年後に6度前後の気温上昇が予測されており、取り返しのつかないことになるため、今から努力して変動幅を何とか2度未満に抑えよう、というもの。
気候変動は人間の活動がもたらすものである以上、気候変動を完全に止めることは不可能かもしれないが、その影響は最小限にとどめるべき、との考え方です。
私たちにできることは?
それでは私たち一人ひとりは何ができるのでしょうか?
車に乗ることをできるだけ控える、家の電気をまめに消灯する、環境に配慮した商品を購入するなど、個人でできる取り組みは色々あり、すでに実践している人も多いと思います。
それとは別に、そこから一歩進んだ貢献のために何ができるでしょうか?
比較的簡単に行える貢献は、WWFのような国際機関の取り組みを支援することです。
例えば、WWFでは気候変動問題の解決に賛同するすべての人を対象に寄付制度を実施しており、「毎月支援」と「一度だけ支援」の2通りで寄付を行うことができます。
寄付金は、南米チリで海洋保全の大切さを訴える普及活動の資金などに使われるとのこと。
また、地球温暖化は「対策」だけでなく「適応」も必要と言われています。
地球温暖化が一定程度進むのは仕方ない、だとすれば温暖化の悪影響に抵抗力をつけていく、つまり地球温暖化と折り合いをつけて共存していこうとする考え方です。
こうした地球温暖化への「適応」を題材にしたビジネスも増えつつあります。
例えば、地球温暖化に適した農作物の導入。
アボガドなどこれまで南の暖かい国から輸入していたものを日本で栽培しようというものです。
また、災害リスクを予測・評価するサービスや、建物や居住空間の暑熱環境・快適 性を向上させる技術などがすでに実用化されているとのこと。
こうした地球温暖化への「適応」を扱うビジネスを検討するのも、現実的な解決への貢献になるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
これまでご紹介してきたとおり、地球温暖化はとても大きな問題で、どこから手をつければよいか分からなくなるほどです。
しかし、課題が人為的な原因によるものである以上、私たち人間が行動を起こさなければ、何も変わらないのも事実。
アプローチは人それぞれ。自分なら何ができるか、まずは考えてみることから始めませんか?
この記事が一人でも多くの方の「スイッチ」を入れることを願っています!
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