「手ぐすねを引いて待ち構える」という表現があります。
あるときふと、
「手ぐすねって一体何だ?何をどう引くの?」と疑問に思い、夜も眠れなくなってしまいましたので(嘘です笑)、調べてみたら「そうだったのか!」の連続だったので、シェアしますね!
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ざっくり解説:手ぐすねを引くの由来は?
「手ぐすねを引く」の由来は、ざっくり言うと、
昔、合戦前にくすね(薬煉)という粘着剤を弓の弦に塗って準備したことから転じて、準備を万全に整えて待ち構えることを指すようになったもの
です。
どういうことでしょうか?
順番に見ていきましょう。
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じっくり解説:手ぐすねを引くの由来は?
手ぐすねを引くの由来は、辞書を調べると大体分かります。
大辞林 第三版によれば、「手ぐすね引く」の意味は、
①弓が滑らないように弓手(ゆんで)に薬煉(くすね)を塗る
②充分に用意して敵を待ち受ける
と解説されています。
①が転じて②の意味になったんですね。
それでは由来となった①の意味について、詳しく解説していきます。
弓手(ゆんで)とは、弓を持つ方の手のことです。
右利きの方なら、弓を構えるとき、体を右側にして弓を持ちますから、左手が弓手となりますね。
ちなみに右手のことは馬手(めて)と呼び、昔の日本では、右手のことを弓手、左手のことを馬手と表現することが多かったようです。
くすねは漢字で「薬煉」と書きます。
「薬練(くすねり)」が転じたものと言われています。
また、「天鼠」とも書きます。
くすねは、松ヤニに油を加え、熱して練って作ったもので、弓の弦の補強や接着剤などの用途に使われる粘着剤のことです。
昔の弓の弦は麻のひもでできていました。
麻ひもは繊維が短く、また太さが安定していないため、何本かの麻ひもを結わえて1本の弦を作るのですが、何本もの繊維を結わえるため毛羽立ちます。
これを毛羽立たせないようにするとともに、弓の弦として十分な強度を持たせるため、弦にくすねを塗り込みます。
また、くすねは、弓の握る部分に巻く皮を固定させる接着剤としても使います。
昔、弓矢が主力武器だった頃の合戦では、いつどんな時でも弓矢を放てるよう、また狙ったところに正確に弓を放てるよう、弓の手入れをきちんとしておくことが、刻々と変わる戦況に即座に対応できるとともに、自らの生死も分ける大きな境目でした。
弓にきちんとくすねを塗り込み、いつでも狙いを定めて弓を引ける準備ができている様子、これが「手ぐすね引く」の状況であるということがお分かりいただけたと思います。
ここで小ネタを一つ。
何と!くすねは現在でも弓の手入れに立派に使われており、チューブに入った形で売られているのです。
私はくすねに何となく鎌倉時代のイメージを抱いていたので、チューブ入りのくすねを見つけたときは「おぉすげー!」と衝撃を受けました(笑)
弓の専門店のウェブサイトをのぞけば、チューブ入りのくすねを容易に見つけることができます。
部活などで弓道をやっている人には、くすねは普段なじみのあるアイテムなのかもしれないですね。
ご興味のある方は是非ググってみてください!
「手ぐすねを引く」を英語で言うと?
日本古来の表現である「手ぐすねを引く」。
これを英語で言うとしたら、どんな表現になるのでしょうか?
weblioで調べたところ、手ぐすねを引くは純粋に日本的表現なので、英語でストレートに当てはまる言い回しはありませんが、「準備万端で待ち構える」という意味に当てはまるものとして、以下の3つの表現が紹介されていました。
- be more than ready.
- wait expectantly
- watch eagerly
うーん、個人的には「be fully ready to(完全に準備ができている)」と言っちゃうかな〜と思いました。
まとめ
いかがでしたか?
手ぐすねを引くの語源や英語での表現などについてご紹介しました。
「知らなかった!」「面白かった!」という方は、是非シェアをお願いしますね♪
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