私たちが普段何気なく使っている水。
日本は地理的に昔から水が豊富。
むしろ台風などの水害で「もう水はたくさんだ!」と思うことすらあります。
しかし、世界に目を向けると、水不足が人類にとって深刻な問題となっています。
そして、水不足に立ち向かう革新的な技術も生み出され、いま世界が変わりつつあるんです。
今日はそんな驚くべき技術たちをご紹介しますね!
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Contents
世界の水不足問題について
現在、水不足問題が世界的に問題となっています。
一体どういうことなのでしょうか?
外務省ホームページによれば、WHO(世界保険機構)とユニセフの推計として、上水道や井戸などの安全な水を利用できない人は2008年時点で世界中に8.4億人いるとされます。
世界の人口は約66億人ですから、世界の人口の実に12%にあたる数です。
また、このうち半分の4.8億人がアジアに、3.3億人がアフリカに暮らしているとされます。
そして、これらの人々のほとんどが池や川、湖、整備されていない井戸などから水を汲んでいるのです。
これは、衛生面で問題があるということを示しています。
なぜなら、これらの水源は多くの場合、泥や細菌、動物のふん尿などが混じった危険な水だからです。
しかも、そうした水源が自宅から遠いところにあるため、一日のうち何時間も水をくみに行くことに費やしている人も多いといわれています。そして、その仕事はたいてい子どもたちの役割。
水をくむことに時間をかけるということは、勉強する時間が奪われるということ。つまり、水問題が識字率や学習の問題にも直結しているのです。
水不足問題の原因は諸説ありますが、気候変動により干ばつ地域が増えているという指摘もあります。
そして、世界の人口はアジアやアフリカを中心に増加傾向にありますから、水不足問題も今後より一層深刻化することが予想されているのです。
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水問題に立ち向かう先端技術
現在、こうした水問題を解決すべく、様々な技術が生み出されています。
順にご紹介していきますね!
汚水をキレイな飲み水に変換
まずは、汚水をポンプで吸い上げるだけで、飲める水に浄化できるポータブルの浄水器。
韓国のメーカーが開発した「Purisoo」です。
動画はこちら。
大きさは大きめの水筒といったところ。
とってもオシャレなデザインで、普段使いできそうですね!
6層構造の浄化フィルターが、小さなチリや泥、細菌をろ過してくれ、海水や化学物質で汚染された水以外ならどんな水でも浄化して飲める水にしてくれます。
キャンプなどアウトドアだけでなく、ちょっとした水たまりでも使えるので、災害時などの防災グッズとしても大いに役立ちそう!
海水を淡水に変換
次にご紹介するのは、海水を淡水化する技術。
実は、海水の淡水化は世界的には一般的に行われている技術なんです。
世界には1万6千もの海水淡水化施設が造られ、現在でもその数は急速に増加していると言われています。
最も実用化が進んでいる国はサウジアラビア。1日に100万㎥もの淡水が作られているとか。
そして、日本でもこの技術が実用化され、日常的に海水が飲料水として提供されていること、ご存知でしたか?
なかでも福岡の「まみずピア」は、日本最大の海水淡水化施設。
平成17年から実用化が始まり、福岡市街地の水需要のおよそ4割をまかなっているんです。
ほかにも沖縄など日本各地で約40箇所で海水淡水化が行われているとのこと。
ただし、海水淡水化の最大のネックは、大量のエネルギーを必要とすること。
エネルギーが使い放題の中東などの地域はともかく、省エネが課題となります。
そこで!
最後に空気中から水を取り出すという驚くべき技術をご紹介しましょう。
空気中から水を取り出す…?
実は、空気中には膨大な量の水が存在しています。
氷が入った冷たいコップの外側には水滴がつきますよね。
あれは、コップに接した空気が冷やされ、空気中の水分が凝固して水滴になったもの。
これを効率よく行うことで、生活で必要とする水を生み出そうという技術があります。
まずはイスラエルの企業が提供する「Watergen」。
こちらは空気中の水蒸気を除湿することで、水のみを集める仕組み。
まあ、言ってみれば巨大な除湿機ですね(笑)
強力なろ過機を備えており、ほぼ純粋な水分子を生成できるので、大気汚染の状況下でも飲料にまったく問題のない水質の飲料水を生成してくれるとのことです。
電気を使用できる環境ならどこでも使用でき、使用量も他社の類似品よりも70%も電力消費量を抑えているとのことで省エネ。
まったく夢のような技術ですね。
ホームページはこちら。
しかし!次にご紹介する「WaterSeer」は、同じ空気から水を生み出す技術ですが、エネルギーも自然界のものを使用する、完全無欠のエコな装置。
まずはこちらの動画をご覧ください。衝撃的です。
ご覧いただいたとおり、WaterSeerは風力を活用して空気を地中に送り、冷却して水分を取り出すというもの。
風力のみで動くため、気候変動の原因となる温暖化ガスを一切排出しないのが売りです。
電気が通っていないアジアやアフリカの砂漠地帯などでも活用できるとのこと。
これは地球上の水問題を一気に解決できる可能性を秘めたすごい技術じゃないですか?
プロトタイプの開発を終え、現在は最新モデルがウェブ上で販売されているようです。
これ、日本でも買えるのかな?
詳しくはホームページ(英語)をご覧ください!
そして最後に、アウトドアで活躍しそうな装置をご紹介。
「Fontus」は、原理はWaterSeerと一緒で、自然エネルギーを活用して空気から水を生成する装置ですが、WaterSeerと違うのは、携帯できること。
自転車に搭載するタイプと、登山などを想定したボトルタイプの2種類があります。
いずれも、最初に水を持たなくてすむので、荷物が軽くなって活動の幅が広がりますね!
携帯しやすいので、アウトドアスポーツ以外の場面でも、防災などでも役立ちそう。
ホームページはこちら。
まとめ
いかがでしたか?
世界の水問題と、それを解決しようと考え出された革新的な技術たちをご紹介しました。
今回調べていて、空気中から水を取り出す技術、これは世界を変える可能性があるものすごい技術だと思いました。
人類は確実に進歩しているようですね!
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