インバウンドの仕事をしたことがある著者がいつも思うのは、「日本人と外国人の好みは必ずしも一致しない」ということ。
日本人がオススメする観光地や観光スポットが、必ずしも外国人に受けるとは限りません。
そこで、海外の各都市が運営する観光情報ウェブサイトでは、どういった観光スポットや内容をPRしているのか、日本人が求めるポイントと同じなのか・違うのかが気になり、調べてみることにしました。
今回は、その首都ベイルートが「中東のパリ」とも称された、中東の歴史国家・レバノン。
その観光情報公式ホームページから読み解く、レバノン一押しの観光の魅力に迫ります!
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Contents
レバノンってどんな国?
まずはレバノンについてざっとおさらいしておきましょう。
レバノンの正式名称は「レバノン共和国(Lebanese Republic)」。
西は地中海に面し、北から東にかけてシリア、南はイスラエルに接しています。
10,452平方キロメートルで、岐阜県と同じくらいの大きさの国土に約600万人が住んでいます。
首都はベイルートです。
公用語はアラビア語ですが、英語とフランス語も通じます。
民族はアラブ人が9割以上で、他にアルメニア人が4%ほど。
宗教はイスラム教が多数ですが、キリスト教徒も4割以上を占めています。
気候は地中海生気候。
通貨はレバノン・ポンド。
主要産業は金融業や観光業、食品加工業等。中東では珍しい石油に頼らない国となっています。
レバノンに住む日本人は90人ほど。逆に日本に住むレバノン人は約110人です。
そんなレバノンの歴史は長く、歴史の記述は紀元前3000年頃にさかのぼります。古代は様々な王朝が入れ替わり支配し、7世紀にアラブ人の統治下に入ります。オスマン帝国の衰退とともに1920年にはフランスの委任統治領に。1941年にはフランスからの独立を宣言しました。第二次世界大戦後のレバノンは金融や観光などの分野で急成長し、ベイルートは「中東のパリ」とも呼ばれるほど繁栄した時期もあったのです。
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日本人に人気のレバノンの観光スポットは?
次に、日本人に人気のレバノンの観光スポットはどこなのか調べてみました。
JTBのレバノン観光情報ページでは、
「カディーシャ渓谷と神のスギの森」「バールベック」「ティール」「アンジャル」の4つのスポットが紹介されています。
4つのうち3つが遺跡・旧跡であり、レバノン観光は歴史スポットが見どころと考えられているようですね。
以上を押さえた上で、レバノンの観光ウェブサイトを見ていきましょう!
レバノンの公式観光情報ホームページ
レバノンの公式観光情報ホームページは、レバノン観光省が運営する
「Live Love Lebanon」です。
とてもシンプルなトップページですが、見たい情報がシンプルにまとまっている印象です。
ホームページには、こうしたレバノンの魅力が凝縮されたイメージ映像「Rise Above Lebanon」があります。
ほぼ全編ドローン撮影され、とても美しい映像となっています。
まずはこちらをご覧ください!
レバノンがおすすめする4つの観光の魅力
レバノンの観光の魅力は何か?それを探るため、まずはトップページの上部にある「レバノンについて(Discover Lebanon)」を見てみました。
すると、レバノンが観光の魅力としてPRしている点は以下の丸点ということが分かりました。
- 長い歴史
- ヨーロッパの影響
- アラブ世界で唯一の四季を有する
- 文化的活動
なるほど。長い歴史は納得ですが、ヨーロッパの影響や四季があるというのは、延々と続く砂漠をラクダが歩いている中東のイメージと全然違っていて意外ですね!
それでは具体的に観光スポットをいくつか見ていきましょう。
レバノン観光のおすすめポイント
ホームページでは、エリア別にレバノンの特徴が説明されてしいます。
ベイルート
まずは首都ベイルート。100万人以上が住む経済と文化の中心。現代的なコスモポリタン都市であると同時に、その長い歴史が凝縮された、実に多面的な顔を持った奥深い都市です。ベイルートには何でもありますが、特に様々な特徴を持った街並みを歩いたり、歴史的建造物や美術館などのミュージアム巡り、ミュージカルや音楽イベントなどが代表的な楽しみ方として紹介されています。
山岳地帯
次はベイルートの東側の山岳地帯(Mount Lebanon)。この山岳エリアは年間を通じて涼しく乾燥しており、ベイルートの人々にとっての避暑地やリゾート地となっています。特に冬はスキーリゾート地として親しまれています。
南レバノン
南レバノン(South Lebanon)はビーチと緑豊かな丘陵地帯や果樹園が特徴的。また、十字軍時代の遺跡や古代の寺院、ニハ要塞などの史跡もあります。
北レバノン
北レバノン(North Lebanon)は、レバノン第二の都市である古都・トリポリを中心とした史跡が見どころ。また、この地域は春の自然風景が絶景。広大なシクラメン畑の花や緑豊かな山々があなたを出迎えてくれます。
ベッカー高原
ベッカー高原(Bekka Valley)を中心とする東部レバノン地域は野菜畑やワイナリーもある丘陵地帯。バールベックが代表的な遺跡であり、多くの観光客が訪れますが、伝統的なアルメニア料理も観光客の目的の一つ。
次に、「レバノンを愛する理由(Reasons to Love Lebanon)」という、トップページの中心コンテンツから、面白そうなものをいくつかピックアップして見てみたいと思います。
歴史
一番最初に配置されているのが「歴史(History)」。長い歴史を誇るレバノンの観光における鉄板コンテンツと言えるでしょう。
このページには数え切れないくらいの歴史スポットが紹介されています。代表的なスポットは、街全体が博物館のようなレバノンやトリポリ、8000年の歴史を持ち、2016年には「アラブ観光の首都」にも選ばれた古都ビブロス(Byblos)などが紹介されています。
エコツーリズム
次はエコツーリズム(Ecotourism)。レバノンは四季を有し、多様な自然環境に恵まれています。レバノンの国旗のモチーフにもなっているレバノン杉が生い茂る広大な森林には、実に多様な動植物のエコシステムがあり、ホームページでは登山やハイキング、自転車、キャンプなどでの自然探索を勧めています。
ビーチ
次はビーチ(Beaches)。レバノンは南北に200キロ以上の海岸線を有しているため、ビーチリゾートやマリンアクティビティもレバノン観光の魅力の一つとなっています。北部の海岸は岩場が多く、夕日を見るのがオススメ。南部はカラフルな柑橘類の木々やバナナの木も生い茂る豊かなエリア。ウォータースキー、セーリング、ウィンドサーフィンなどのアクティビティーはもちろん、フェニキアやローマ時代の遺跡をダイビングで探索することも楽しみの一つとなっています。
グルメ
最後はグルメ(Gastronomy)。その長い歴史と多様な文化、地中海の恵みを受けて育った肉や魚介類、それらを新鮮な野菜や豆、穀物などが引き立てます。
タベク(Tabekh)は煮込み料理。レバノン・ズッキーニが入るのが特徴です。
ヤクネ(Yakhneh)はレバノンのシチュー。オクラ、なす、トマト、ホウレンソウ、豆など多くの野菜が使われます。
そしてフラットブレッド(flat bread)は常にレバノン料理と一緒に提供されます。
ラブネ(Labneh)はヨーグルトのような食べ物。ボール状に丸め、オリーブオイルに浸して保存します。
フォウル(Foul)は伝統的な豆料理で、にんにくやクミンで味付けされ、朝食によく登場します。
まとめ
いかがでしたか?
日本であまり知られていないレバノン。
このように実は中東を代表する観光地でした。
機会があれば是非訪れてみてはいかがでしょうか?
※現在、外務省の海外安全ホームページでは、レバノン全土がレベル1(十分注意してください)以上の注意となっています。
渡航にあたっては現地の最新情報を入手するとともに、十分注意してください。
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